知的生産の技術 (岩波新書)
知的生産の技術 (岩波新書)梅棹 忠夫
発想は現代的
第1刷が1969年に発行とのこと。
当時はパソコンもワープロも無いからひらがなタイプライターで手紙を書くなんていう話が出てくる。
というふうに、使用可能な製品化されたテクノロジーの選択肢としては当然ながら古いのだが、梅棹忠夫さんの合理的なものの考え方や柔軟な発想はまったく古さを感じさせない。
たとえば、カードの活用とか、規格化の奨め、などなど。
40年前に書かれたとは思えない。
パソコンやインターネットなどの道具立てを盛り込めばそのまま最新刊のビジネス書・啓蒙書として通用するのではないか?
ロングセラーには理由がある
初版は1969年、今年2月出版は77刷(!)というロングセラー。「ウェブ時代をゆく」で梅田望夫氏が影響を受けた本として紹介していたので手に取りました。
知的生産(何かを読み、調べ、整理し、考え、文章を書き、発表するまでの一連の作業)を取り巻くインフラは本書が書かれた40年前からはかなり変化(進化)していますが、それでも書かれていることは極めて有用で、現在でも通じる普遍性をもっています。それだけ、著者に先見性があったのでしょう。その慧眼に感服せずにはいられません。
具体的な内容ですが、私が興味深く読んだのは、後半のいわばエッセイ的な項目と感じた「読書」と「文章」の項。読書法に関しては読書と食事のアナロジーには強く共感できますし、
「文章を書く」(パソコンを使わずに)ということを突き詰めて考えてみるきっかけになったような気がします。
ちなみに、「タイプライター」の項は、パソコンと文書作成ソフトが普及した現代では考えられないような苦労と試行錯誤ぶりが面白いです。単純に読み物として楽しめました。
今でも通じる実用的な内容と、歴史を振り返る娯楽的内容(もちろん著者が意図した訳ではなく40年間の社会の変化がそうさせたのですが)が混在した、大変興味深い一冊でした。
知的活動の原点をいま一度見つめるために
知的な生産活動において一番肝心な点は、
【対象に対してあれこれ考えを巡らすこと】と【実行すること】
という原点を思い起こさせてくれます。
紹介された具体的な方法論が、時代遅れであることは否めませんが、
その根底にある思想の素晴らしさは変わりません。
知的生産の技術 (岩波新書)
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