全肯定するのはいかがなものかと思うけど

全肯定するのはいかがなものかと思うけどポップ・ミュージックのCDが売れなくなり、ダウンロードもほとんどがシングルで携帯電話
(PCじゃなくて)に依存する世界が訪れた。そして音楽産業は格差社会だ

そういう社会で本書は新しい音楽入門になった。茂木個人の音楽的逸話と脳科学を同期
させての古典音楽解説書である。いつもながらのモーツァルト持論にシューベルトが
加わり、古典音楽の本来的な大衆化を求める姿勢には大いに賛同する。

ただ、ライヴ(コンサート)についての記述がやや感情に流されていて(音楽は生じゃないと
ダメ、というような。。。)この国の「クラシックはチケットが高い」「地方ではなかなか
(ほとんど)鑑賞機会が創出されない」という旧来の問題、課題を今一度見直すことを
忘れた(すっ飛ばした)ようで、それが本書全体として都市生活者優位主義的な印象を
免れないのが残念だ

ラフォルジュネを持ち上げるのは結構だけど、海外から持ち込んだフェスと日々この国で
開催される(あるいは開催されない)クラシックのコンサートや、音楽教育(啓蒙)に
まつわる不満を説いていただきたかったな

とは言えども、どんどんツマラナクなる内外の多くのポップ・ミュージックへの
逆襲として改めてクラシックを聴いて、新しい耳を作るためには良書です

茂木さん流音楽論に酔うこの人の肩書きは脳科学者ではあるが
そんなくくりはこの場所においといて
次の時代に行かなければならないと思う。
「脳とシューベルト」という副題はいらない。
でなければ、様々な誤解が生まれてくるのではないか。

内容は、「脳と仮想」の系列に含まれる
随筆のようなストーリーが
音楽に向けられた情感たっぷりの言葉で
織り出されている。
それは人間の本質を衝いていると感じる。

きっとこの文章を書くときも
自分という楽器の鳴りを確認しながらの
作業だったのではと思ってしまう。
特に第3章「音楽と創造力」の
豊かな響きには心動かされるものがあった。

誤解されているところのある著者だが
あくまでも一定の距離を持ち、
真摯な姿勢で音楽を愛で、人間の日々の営みを愛でる姿勢に
自分の楽器も鳴った気がした。

音楽はダイナミックな変化の織り成す奇跡的な共鳴であり、
変化は生命の本質であるから、
僕の人生に音楽は欠かせないことが確認できた。

どこかのキャッチコピーではないけれど。

音楽好きにおすすめ月に一度、シューベルトの歌を勉強しています。初めて間もないので、クラッシックに関する知識もなく恥ずかしいのですが…。そんな音楽初心者の私に、さらに音楽の楽しさを教えてくれた一冊です!好奇心のままにCDを聴いている日々ですが、全てが糧となり、日常を豊かにしてくれます。音楽の知識も増えました。科学者の方が書いていらっしゃるので、文章は少々硬めです。すべては音楽から生まれる (PHP新書 497)

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