国家の品格 (新潮新書)

国家の品格 (新潮新書)藤原 正彦日本人、自画自賛論
 読みやすい文体ではあるものの、内容的には特に新鮮さや面白みを感じるものではない。ではなぜ、この書籍はあれほど話題になったのだろう。

 まず挙げられるのは「品格」という言葉の魅力だろう。国際社会で自分の立場(アイデンティティ)を失いつつある日本。今まで日本の代名詞とも言われてきた「経済」大国の地位も中国やインドの台頭により脅かされつつある昨今、「経済」に代わる新しい鍵語が必要なのだろう。悪く言えば、数値で計測・比較可能な「経済」という客観的価値観から、計測・比較不可能な「品格」という主観的価値観への逃避、自己満足?

 とは言うものの、長らく押し入れの奥に仕舞い込まれていた居心地良い死語を取り出すことにより、「すべての日本人に誇りと自身を与え(帯より抜粋)」た?功績は大きい。

 次に挙げられるのは、本書の文体だろう。一方的とも言える「日本賛美」の持論を独自の口調で語っており、そのわかりやすさと気持ち良いほどの過激さが受け入れられたのだろうか?いやむしろ、ざっと目を通しても突っ込みどころ満載ゆえ、批判的に読んだ人の方が多いと思うが、その自画自賛振りはある意味気持ちいいのかもしれない。

 最後に、本書の内容を簡単に紹介する。

 「武士道精神こそ世界を救う」と豪語する著者は、欧米の合理的思考一辺倒の発想を批判的に捉え、論理では説明できない「情緒」や「形」の重要性を説く。そして、日本人がそれらを身に付けることこそ、「国家の品格」となると主張。国家に品格があるとは、端的に言うと文化レベルが高いということ。さらに、品格ある国家の指標として次の4点を指摘している。

 国家の独立不羈/高い道徳/美しい田園/天才の輩出

 そして、以下の言葉で締めくくられている。

 日本人一人一人が美しい情緒と形を見につけ、品格ある国家を保つことは、日本人として生まれた真の意味であり、人類への責務と思うのです。(抜粋)

感慨無量
この本は、分かる人にはとことんよく分かり、分からない人には全く分からない、

というような種類の本だと思います。

別の言葉で言うと、「戦後民主主義」「ヒューマニズム」「自由と平等」などに

気を取られている人々にとっては、腹の立つとんでもない本と思うことでしょう。

一方、そのような欧米由来のものこそが現代の日本の荒廃につながったと思っている人々、

日本人本来の素晴らしい伝統とか心を取り戻すべきと内心感じていた人々、にとっては

目から鱗あるいはよくぞ書いてくれた、と快哉を叫びたいような本だと思います。

私個人としては、多くの批判を浴びるであろうことを恐れずここまで書ききった

著者の勇気と国を思う心に感動いたしました。

戦後60年たって、やっとこのような本が現れたか、と思い、感慨無量です。

何様のつもりなのかね。
 この本を図書館で手にとった。話題になっていた書ということもあり、題名から、気恥ずかしくあえて手に取るのを避けていたが、予想どおりのお粗末な本で僕の期待を裏切らなかった。まあ、ここまで大衆に迎合すれば、売れるかもしれないが、このような本が売れて、かつ礼賛されてしまうこの国の品格こそ、今まさに問われている。

 懐古主義に浸ってみても何も生まれない。僕にはただの、老人の戯言にか読めなかった。若者はこのような本に迎合することはとっても危険だと思う。この様な本の思想に共鳴するのは、ただの現実逃避であろう。

 それにしても、予想以上に高い評価。びっくりしちゃうね。人それぞれなのだろうけど。
国家の品格 (新潮新書)

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